相談事例

札幌の方より相続税についてのご相談

2020年08月11日

Q:税理士の先生にお尋ねします。遺産分割で揉めていて、相続税申告の期限までにまとまりそうにないのですが、延長できますか?(札幌)

札幌在住の50代の会社員です。5カ月ほど前に札幌の自宅に住んでいた父が亡くなりました。相続人は私と弟の2人です。相続人の確定を行い、相続をするにあたり父の相続財産を調べたところ、札幌市内に複数の不動産がありました。不動産の数から考えて相続税申告は避けられないようです。相続人である私たち兄弟で遺産分割協議をしなければなりませんが、弟とはもともと仲が悪く、ずっと疎遠でした。今回父が亡くなったことで、葬儀場で久々に顔を合わせましたが、会話という会話をした記憶はありません。今後も連絡を取り合うことは困難かと思われますので、相続税申告の期限内に遺産分割協議を行い、各種手続きを行うことは難しいのではないかと思います。このままでは相続税の期限までに間に合わないと思われるので、相続税申告の延長が可能であれば延長したいと思っています。(札幌)

 

A:相続税申告の期限内に未分割のまま申告と納税をし、遺産分割がまとまってから申告額の調整をします。

ご相談者様が心配されているように、相続税の申告・納税には“被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内”という期限があります。遺産分割がまとまっていない場合、相続税申告・納税の期限延長をするのではなく、とりあえずこの期限内に相続税申告と納税をします。この場合、原則「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減の特例」を適用して相続税額を計算することはできませんが、民法に規定されている法定相続分で課税価格を未分割のまま計算して申告・納税を行います。

後に遺産分割がまとまって実際の相続税額を算出、すでに申告した額と比較し、当初の相続税申告額よりも多い場合は修正申告をして差額を納税、当初の相続税申告額よりも少ない場合は更正の請求をして差額を還付してもらいます。最初の申告で適用されなかった「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減の特例」については、一定の要件を充たしていれば適用が認められることもあります。

 

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