2019年11月11日
Q:障害者手帳を受けている相続人がいる場合、相続税の控除は受けられますか?(札幌)
札幌市内に住んでいた叔母が先月亡くなりました。叔母は生涯独身で、叔母の父母となる私の祖父は共に他界しておりますので、相続人は叔母の兄にあたる私の父だけになると思います。父は同じく札幌に住んでおりますが、数年前に病気を患った際に障害者手帳の交付を受けました。叔母の財産を相続するにあたって少し調べたところ、相続税が発生しそうなので適用できる控除制度があれば適用したいと思っているようです。障害者手帳を持っている父は、相続税の控除を受けられるでしょうか?(札幌)
A:相続税の控除には、障害者手帳を受けている方が適用できる制度があります。
相続税の控除には、相続税の額から一定の金額を控除する「障害者控除」という制度があります。この障害者控除を受けることができる相続人は、①85歳未満である、②相続や遺贈で財産を取得した時に住所が日本国内にある、③相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である、④法定相続人であるといった条件項目をすべて満たしていなければなりません。
具体的な障害者控除の額は下記の通りとなります。
一般障害者の控除額=控除を受ける障害者が満85歳になる年までの年数×10万円
特別障害者の控除額=控除を受ける障害者が満85歳になる年までの年数×20万円
※1年未満となる期間は1年として計算します。
一般障害者はどのような方が該当して、特別障害者はどのような方が該当するのか、それぞれ法令で詳細な決まりがありますので、どちらに該当するのかの確認が必要です。また、以前の相続(今回以外の相続)で既に障害者控除を受けたことがある場合には、控除額が制限されるなどの定めがありますのでご注意ください。なお、この相続税の障害者控除を適用したことにより納付すべき税額がゼロになったときは、相続税の申告義務はありません。
相続税の申告には、財産の評価や計算などについての専門的知識が必要となります。今回のご相談者様の札幌のお父様が、相続税の申告にどちらの障害者控除を適用できるのか、いくらになるのか、といった具体的内容は専門家にご相談いただくことをお勧め致します。
ふたば税理士法人が運営しています札幌・旭川相続税申告相談室は相続の専門家として、札幌や旭川近郊を中心に活動をしております。相続税申告の実績も豊富な事務所です。初回無料相談を設けておりますので、ぜひお気軽にご相談にお越しください。
2019年10月30日
Q:生前に父が生活していた自宅が相続税の課税対象になる可能性がありますので、自宅の土地と建物の評価方法を教えて下さい。(旭川)
先月、長く闘病しておりました父が旭川で亡くなりました。父は生まれてからずっと旭川で生活をしており、先祖代々引き継いできた自宅が相続財産となっています。また、銀行にも父名義で預金が5000万円程あります。相続人は、母がすでに他界していますので父の子である私と妹の2人になりますが、相続税の申告が必要になるのではと思っています。相続税の計算をする場合に、相続財産の評価をする事になると聞きましたが自宅の土地と建物の評価というのはどのようにするのでしょうか?自分で相続税の計算をしなければならないようですが、自宅の評価方法がよくわからないために手続きが進まず、納税期限もあると聞きましたので焦っています。(旭川)
A:相続税におけるご自宅の土地の評価は路線価方式又は倍率方式で評価し、建物の評価は固定資産税評価額がそのまま評価額となります。
相続税申告には、ご自宅等の不動産の評価が必要になりますが、預貯金のようにそのままの金額で評価をする事は出来ませんので法律により定められている方法によって評価をしていきます。
自宅は土地と建物に分けて評価を行います。
まず、土地に関しては国税庁により「路線価」が定められている地域にあるものは、これを用い評価します(「路線価方式」)。この路線価は国税庁のホームページに掲載されておりますので、一般の方でも確認をする事ができます。この路線価より計算された評価額そのままではなく、ここからその土地の形状や面積、周辺の環境などを考慮し評価額が調整されます。これにより、実際に納める納税額を下げる事も可能になります。
路線価が定められていない地域の土地に関しては「倍率方式」という方法を用いて評価します。倍率方式は、地域毎に定められている一定倍率をその土地の固定資産税評価額に乗じて計算をします。路線価方式、倍率方式のどちらについても、評価額を適切に算出するためには専門的な知識を多く必要としますので、相続税を専門とする税理士へ依頼される事をおすすめいたします。
建物の評価は、所有者へと毎年送付される納税通知書に記載されている固定資産税評価額がそのまま評価額となりますので、建物についてはご自身で確認をする事ができます。
相続税は、申告納税制度により、被相続人の財産を相続などにより取得した人物がご自身で申告と納税をする必要があります。しかし、納税額の計算が適切にできず余計な納税をしてしまう事も考えられます。こういった場合に税務署から通知や還付が自動的にあるわけではありません。複雑な制度と特例をきちんと理解し利用する必要がありますので、安心して申告・納税までを完了するためにはやはり専門家へと依頼する事をおすすめいたします。札幌・旭川相続税申告相談室では、旭川の皆様の相続税に関するお困り事に親身に対応をいたします。相続税の相談実績、申告実績ともに豊富な当相談室に安心してお任せ下さい。まずは、初回無料の相談へとお越し頂き、現在のお困り事をお聞かせ下さい。
2019年09月21日
Q:相続税申告をする必要がありますが、期限はありますか?(札幌)
先日、札幌に住む伯父(私の母の兄)が亡くなりました。伯父は独身で子どももいません。私の母は私が幼いころに亡くなり、小さいころから伯父には面倒をみてもらっていたこともあり、伯父が病気になってからは、私が伯父の身の回りの世話をしてきました。伯父と亡き母にはもう一人兄がおり(長兄の伯父)、伯父の葬儀後に長兄の伯父から私に連絡がきた際に、伯父の相続人が、私と長兄の伯父の二人であることを聞きました。伯父の財産について確認したところ、相続税申告が必要なようです。伯父の葬儀を終えてから約2ヵ月が経過していますが、相続税申告はいつまでに手続きをすればよいのでしょうか。(札幌)
A:相続税申告は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内が期限です。
伯父様のご葬儀から2ヵ月が経過されたとのことですが、相続税申告の期限はまだ過ぎてませんので、ご安心ください。相続税申告の期限は、相続開始を知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10か月以内と定められております。期限までにはまだ期間がありますが、相続税申告は様々な準備が必要なので早めにとりかかりましょう。
まずは相続税申告が必要なのかを再度ご確認ください。相続税申告は相続する財産の課税価格が相続税の基礎控除額を超えていない場合、相続税申告をする必要はありません。課税価格は伯父様の相続財産から、非課税財産や債務等を引いて算出します。相続税の基礎控除額は【3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数】で算出することができます。課税価格がこの基礎控除額を超えていない場合には相続税申告は行う必要はございません。
相続税申告において一番複雑な作業が、この課税価格の算出です。課税の対象となる財産と対象とならない財産の見分け方や、課税価格の計算方法などについては相続税に関する専門的な知識が必要となります。
万が一、ご自身の判断で相続税申告を行った場合、申告内容に不備や漏れがあることを税務署の調査によって指摘されてしまうと、相続税とは別にペナルティとして加算税や延滞税が課せられてしまうこともあります。こういったリスクを考慮すると、相続税申告がある場合には相続税申告を専門に扱っている税理士へご相談をされた方が適正な相続税申告を行うことができ、余分な税金を支払うようなこともありません。
相続税申告の期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内ですので、期間が長く感じられますが、この10か月という期間内に、相続人や相続財産の調査、必要書類の収集、遺産分割協議などを終わらせた上で相続税申告の申告書の作成などを行わなければなりません。したがって、相続税申告が必要になる場合には、なるべく早めに着手するようにしましょう。
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